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調味料の「さしすせそ」って何?
料理中に調味料を入れる順番やタイミングがわからない
お酒やみりんの使い方がわからない
煮物を作った時、いつまでも味が染みない。
レシピの分量通りに作ってるのに、なぜかおいしくない。
調味料を入れる順番が違っているのかもしれません。
「さしすせそ」は和食に使う基本調味料の頭文字を集めたもの。
使う順番には理由があります。
お酒やみりんも使うと見た目や味がさらによくなります。
これを読めば調味料の特徴や役割がわかり、順番に使う理由がわかります。煮物だけでなく他の料理もおいしく作れるようになりますよ。
調味料は「さしすせそ」の順番で使う
さ(砂糖):最初に入れて、素材に甘味をつける。
し(塩):塩味をつける。余分な水分をだして、素材を引きしめる。
す(酢):酸味を出す。野菜の変色をおさえる。
せ(しょうゆ):塩味をつける。色や香り、風味をつける。
そ(味噌):塩味をつける。臭みを消す。味噌の風味をつける。
日本酒とみりんは最初と最後に使う
日本酒:最初に入れて肉や魚の臭みをアルコールと一緒に蒸発させる。
みりん:最初に入れるとアルコールが食材を引きしめ煮崩れを防ぐ。最後に入れると照りやつやが出る
砂糖の特徴・役割
砂糖はサトウキビのしぼり汁を煮詰めたもの。黒砂糖(黒糖は)未精製なので、ビタミン、ミネラルが残っています。
白砂糖(上白糖)は精製されているのでミネラル分などはありませんが、食材に色がつかないので見た目が良く仕上がります。
てんさい糖はてん菜というほうれん草の仲間の植物が原料。腸内で善玉菌のエサになるオリゴ糖が含まれています。
特徴 | 砂糖は分子が大きい(塩の6倍の大きさ)ので最初に入れる。塩より後に入れても甘味がしみこまないため。 |
役割 | 甘味をつける 食材を柔らかくする 照り、ツヤを出す 保存性を上げる |
塩の特徴・役割
自然塩、天然塩は海水を天日で蒸発させたり、釜で煮つめて作ります。海水に含まれるミネラル分は残ります。
特徴 | 水分を出して素材を引きしめる。砂糖より分子が小さいので、必ず後に入れる。 |
役割 | 塩味をつける 殺菌・防腐効果 臭みを消す 酸味を和らげる ぬめりをとる |
調理の下ごしらえの時点で塩をふると、野菜の農薬や肉や魚の臭みなどを取り除けます。詳しい解説は下の記事にあります。
料理の「下ごしらえ」で農薬や添加物を取り除きおいしくなる方法を解説
酢の特徴・役割
酢は穀物や果物を発酵させる「静置発酵法」と「速醸法」があります。
「静置発酵法」は昔ながらの作り方で、3ヶ月から半年かけて材料を発酵させるので、まろやかな酸味が味わえます。
「速醸法」は強制的に発酵をうながして短期間で作る大量生産法。つんとキツい酸味があります。
特徴 | 米や麦、リンゴやブドウなど果物を発酵、熟成させて作る。クエン酸による疲労回復効果もある。 |
役割 | 臭みを抑える 防腐・殺菌効果 変色防止 酸味による食欲増進 |
しょうゆの特徴・役割
昔ながらのしょうゆの製法は「本醸造」といわれ、酢と同じ発酵食品です。
現代では脱脂加工大豆やアミノ酸などを使い短時間で作る「混合本醸造」があります。
味と香りがよいのが特徴ですが、加熱で風味がなくなります。最初の味付けと火を止める寸前に分けて入れると、しょうゆの風味がいかされた煮物ができます。
しょうゆは1か月で使い切る
空気に触れる(酸化する)と風味と味がおちます。冷蔵庫で保存し1か月で使い切れるサイズを買いましょう。
特徴 | 大豆、小麦、に麹菌を加えて、発酵、熟成させて作る。加熱で香りがなくなる。 |
役割 | 塩味 香りつけ 色付け |
味噌の特徴・役割
麹は米麹、麦麹があり、麦麹を使うと麦みそと呼ばれます。豆味噌は大豆と塩だけで作るみそ。地方によって特徴が様々あります。
味噌も加熱で風味がなくなるので、みそ汁は火を止めた後に入れると味噌の風味が残ります。
特徴 | 味噌は大豆と塩に麹菌を加えて、発酵、熟成させて作ります。 |
役割 | 塩味 うま味 臭みを消す 保存性が上がる |
日本酒の特徴・役割
料理に使うお酒は日本酒と料理酒があります。大きな違いは、料理酒には食塩が入っています。ここでは日本酒の解説をしています。
料理酒は塩が入っているので、味のしみや素材を柔らかくする役割はありません。料理酒を買う時は塩が入っているかどうか確認しましょう。
特徴 | うるち米、米麴、水を発酵、熟成させて作ります。 |
役割 | 味の染みがよくなる 素材を柔らかくする 臭みを消す |
みりんの特徴・役割
みりんはもち米、米麹を焼酎または醸造アルコールで熟成して作られます。みりんは発酵させるのではなく、糖化させるのでできあがりに2か月以上かかります。1年以上熟成させる場合もあります。
みりんに含まれる糖は、オリゴ糖、ブドウ糖など複数あり、照りやつやがでますが、砂糖ほど甘くありません。
原料のもち米に含まれるアミノ酸が、素材のこくやうま味を引き出す作用もあります。
みりん風調味料は安価ですが、ブドウ糖や水あめで甘みをつけ酸味料や添加物で作られます。アルコール度数も1%未満なので、甘味はつきますが、臭みを消したり、煮崩れ防止の役割はありません。
特徴 | もち米、米麹、焼酎で熟成させ時間をかけて糖化させます。アルコール度数は14度前後。 |
役割 | 甘味をつける 照り・つや出し こく・うま味出し 臭み消し 味をしみやすくする 煮崩れ防止 |
レシピでみる「さしすせそ」、日本酒、みりんを使うタイミング
人気の和食、調味料を入れるタイミングを表にしました。
料理名 | 調味料を入れるタイミング |
---|---|
肉じゃが | 肉を炒め、野菜とだし汁で煮る。じゃがいもが柔らかくなったら、砂糖、しょうゆで味付け。砂糖の代わりに日本酒とみりんでもよい。 |
照り焼き | 下ごしらえで塩と小麦粉または片栗粉をまぶしておくと、余分な水分と臭みがとれる。肉または魚を焼いたら、日本酒とみりんを入れて煮立たせる。そのあとでしょうゆを入れてたれを煮詰める。 |
からあげ | しょうゆと酒、ニンニク、しょうがを肉によくもみ込んで下味をつけると肉が柔らかくなる。その後粉をつけて揚げる。 |
野菜炒め | 最初に塩を入れると野菜から水分が出るので、最後に塩かしょうゆで味付け。 |
みそ汁 | 具材をだし汁で煮る。火を止めてから味噌を入れる。温める場合は、味噌を入れたら沸騰させない。 |
「さしすせそ」とお酒、みりんのまとめ
毎日の食事を美味しく作るコツは、調味料を入れる順番。味のしみこみ具合や柔らかさなどが変わります。「さしすせそ」で料理上手になりましょう。
調味料は「さしすせそ」の順番で使おう
さ(砂糖):最初に入れて、素材に甘味をつける。
し(塩):塩味をつける。余分な水分をだして、素材を引きしめる。
す(酢):酸味を出す。野菜の変色をおさえる。
せ(しょうゆ):塩味をつける。色や香り、風味をつける。
そ(味噌):塩味をつける。臭みを消す。味噌の風味をつける。
日本酒とみりんは最初と最後に使う
日本酒:最初に入れて肉や魚の臭みをアルコールと一緒に蒸発させる。
みりん:最初に入れるとアルコールが食材を引きしめ煮崩れを防ぐ。最後に入れると照りやつやが出る。
昔ながらの製法で作られた醤油、酢、味噌は発酵食品なので熟成までに時間がかかりますが、うま味や保存性がよく、素材のうま味を引き出してくれます。
日本酒やみりんも使えば煮物や照り焼きなど、見た目も味もよくなります。
「○○の素」を使わなくても「さしすせそ」でおいしい料理が作れます。
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