【自然栽培とは】農薬・肥料不使用の再生可能な農法、有機栽培との違いも解説

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【自然栽培とは】農薬・肥料不使用の再生可能な農法、有機栽培との違いも解説
  • 自然栽培(自然農法)ってどんな栽培方法?
  • 無農薬無肥料で野菜が作れるの?
  • 自然栽培の野菜をどこで買えるか知りたい。

自然栽培(自然農法)とは固定種のタネを使い、無肥料・無農薬・(不耕起)で栽培する方法です。

世界で肥料の不足や値上りが起きています。現在国が肥料代を補填していますが、価格の高騰が続いていて肥料の使用量削減もすすめられています。

無肥料栽培なら肥料の不足も値上がりも心配ありません。

はる
はる

私は2022年から自然栽培の田んぼオーナーをしたり野菜作りを学んでいます。
自然栽培の野菜のおいしさ、植物のたくましさなど日々実感しています。

自然栽培の特徴有機栽培との違い、広めた人、メリット・デメリットが書かれています。自然栽培の野菜が買える店も紹介しています。

この記事を読むと自然栽培(自然農法)について知ることができ、野菜も買えます。

野菜嫌いの子や食べ物に関心のない人にも、野菜本来の味がする自然栽培の野菜を知ってほしいと思います。

自然栽培・自然農法の特徴は、タネと土

畔のクローバー

自然栽培、自然農法とは自然の野山手本にした栽培方法です。

固定種(在来種)のタネを使う
土と微生物が植物を育てる
田畑を耕さない不耕起栽培

はる
はる

自然栽培は、広めた人の農法により「自然栽培」「自然農法」「自然農」等と呼ばれています。ここではまとめて「自然栽培」としています。違いを知りたい方は「始めた人、特徴、関連サイト」の項をご覧ください。

固定種のタネを使う

野菜のタネ

野菜のタネには2種類あります。

  • 固定種(在来種)
  • F1種

自然栽培では固定種のタネを使います。

固定種とは
育てた植物から採ったタネのこと。育てた植物からタネ取りを繰り返すと、タネが土や気候になじんできます。それが固定種で、家さん自身でタネを採ることを自家採取といいます。
固定種の中で特定の地方に広まったタネ在来種(例:三浦大根、黒田五寸人参、四葉胡瓜)といいます。

毎年タネを採って栽培すれば、タネを買う必要はありませ

F1種とは
種苗メーカーの作った交配種のタネです。「F1」は遺伝学「メンデルの法則」から名付けられました。交配した1代目同じ大きさ、形の野菜ができますが、次世代は形や大きさがそろわないという法則です。(次世代のタネができない品種もあります。)

農家さんは毎年種苗メーカーからF1種のタネを買って栽培します。

F1種の特徴

  • 大きさや形がそろうので箱詰め、輸送に便利
  • 種苗メーカーが作る収穫量が多く、病害虫に強い品種の野菜を栽培できる
  • 味の個体差が少なくファミレスや総菜用の野菜に向いている

土と微生物が植物を育てる

植物の栄養素

植物に必要な栄養素は16種類。そのうち「窒素、リン酸、カリウム」がたくさん必要です。

栽培方法による肥料「窒素、リン酸、カリウム」原料の違い

化学肥料は鉱石を原料としていて、海外からの輸入に頼っています。

自然栽培では、落ち葉や枯れた葉、根、死んだ虫や微生物が分解され植物にとって肥料となります。

栄養素化学肥料(輸入先)自然栽培
窒素尿素(マレーシア・中国)植物の根・死んだ虫や微生物
リン酸リン酸アンモニウム(90%中国)虫の糞
カリウム塩化カリウム(カナダ・ロシア)枯れ葉・落ち葉
化学肥料は原料を輸入に頼っています

農薬、化学肥料の影響

  1. 農薬で虫が来なくなり、微生物や菌は死滅するので、植物は十分な栄養を取ることができない。
  2. 一度農薬や化学肥料を使うと、肥料を与え続けないと野菜が育たない。
  3. 肥料が与えすぎると病虫害が増える原因になる。

自然栽培は畑の中で肥料が作られる
畑で野菜を収穫した後の葉や茎、畑の雑草を一か所にまとめておくと、小さな虫や菌、微生物が分解して数年後に土のようになります。微生物や菌がいっぱいの肥料になります。

はる
はる

土の中の菌や微生物は植物にとって、人の腸内細菌のような働きをします。腸内細菌が人の消化、吸収、免疫機能を整えるように、土の中の菌や微生物が植物の栄養補給や排出に深くかかわっています。

耕さない「不耕起栽培」

不耕起の田んぼ
不耕起の田んぼ

自然の野山は耕さなくても毎年花が咲き、実をつけます。それを見習った栽培が不耕起栽培です。

不耕起耕さないままの田畑に直接タネをまいたり、苗を植えて栽培します。
土を耕すと中にいる菌や微生物にとって家をひっくり返されたような環境になり、居心地が悪くなり活動が鈍ります。そのため耕さず、そのままの状態で栽培します。

自然栽培と有機栽培の違い

有機JASマーク
有機JASマーク

有機栽培も化学肥料や農薬を極力使用しません。共通点もありますが、大きな違いは2点。

  • 自然栽培は国の認定制度がない
  • 自然栽培は農薬・肥料を買わない

自然栽培は国の認定制度がない

有機野菜とは、国の有機認定を受けた人が栽培した野菜のこと。
認定を受けてないと「有機野菜」「オーガニック」は使えません。

自然栽培は国の基準や認定がありません。
自然栽培の農家さんは、塾や団体、経験豊富な農家さんから学びと経験を積みながら実践しています。

「自然栽培農家」と言っても、いつから農薬や肥料を使っていないのか、どういう栽培方法なのか決まりがないので判断が難しいところです。購入する場合は信頼できる自然栽培の農家さんや店から買いましょう。

農薬・肥料を買わない

有機栽培では許可された農薬や肥料を使えます。

自然栽培農薬、肥料は使いません土の状態により肥料を入れる場合は自家製のたい肥を使います。たい肥は畑に残った野菜や雑草に米ぬか、油かすを混ぜて数か月から数年発酵させて作ります。できるだけ畑にある物を使い外から持ち込みません

自然栽培を始めた人、特徴、関連サイト

わら一本の革命

自然栽培を始めた人は農薬や化学肥料で体を病んだり、農業のあり方に疑問をもち自然に目を向けた人たちです。自ら何年も試行錯誤して農法を作りました。本を出版したり、後継者が講座を開いて継承しています。

氏名考え方農法関連サイト
福岡正信
(1913-2008)
引き算の農法不耕起 無肥料 無除草
粘土団子
福岡正信自然農園
岡田茂吉
(1882-1955)
自然尊重・自然順応無農薬 無肥料秀明自然農法ネットワーク
川口由一
(1939-2023)
耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵としない不耕起 不施肥 無除草赤目自然農塾
岩澤信夫
(1932-2012)
生きものいっぱいの田んぼ
(生物資源型農業)
冬期湛水(とうきたんすい) 不耕起日本不耕起栽培普及会
福岡正信
米や麦など数種類のタネを入れた粘土団子を作り、作物が植えてある畑にまく。作物の収穫が終わるころにタネから芽が出て次の作物ができる。アメリカ、ヨーロッパ、アフリカに招かれ、この農法で砂漠の緑化活動に従事。アジアのノーベル賞と称されるフィリピンのマグサイサイ賞を受賞。

代表書籍「わら一本の革命」「自然に還る」

岡田茂吉
「人肥や厩肥また化学肥料などを一切使用せず、 出来るだけ土を清浄にし感謝して栽培すると、土本来の素晴らしい力を発揮し、その地域に住んでいる人間や家畜を養うに十分な、美味な作物が豊富に収穫できる」という考えに基づく自然農法として継承されています。
川口由一
中学卒業から農家になり、38歳から自然農を始める。「耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵としない」農法で、1991年に「赤目自然農塾」を自然農の学びの場として創設しました。

代表書籍「妙なる畑に立ちて」

  

岩澤信夫
通常の田んぼは稲刈り後から田植え前まで水を入れないが、稲刈り後から水を入れる(冬期灌水)ことで刈り取った稲が枯れず、春になるとまた新芽を出す。

代表書籍「不耕起でよみがえる」

自然栽培のメリット・デメリット

食べチョクコンシェルジュ カブ画像
大きさがバラバラの自然栽培のカブ

自然栽培が生産者、消費者にもたらすメリット・デメリット。

メリットデメリット
農薬等の健康被害がない(生産者・消費者)栽培できる土になるまで時間がかかる
農薬、肥料、タネの費用がかからない生産者の知識と経験、探求心が必要
栄養価が高く、野菜本来の味がする収穫量が不安定

以前に農薬や化学肥料を使っていた農地から自然栽培にかえる場合、土に残る農薬や肥料成分が薄くなり、菌や微生物が活動できる土になるまで年単位の時間がかかる。土の性質調査・野菜栽培の知識・経験が必要な難しい栽培方法ですが、健康被害がなく栄養価の高い野菜を生産できるようになります。

自然栽培の野菜を買える店

食べチョクコンシェルジュ2 野菜
  • オーガニックの朝市やマルシェ
  • 農家さんの個人サイト
  • 食材宅配

オーガニックの朝市やマルシェでは、有機栽培だけでなく自然栽培の野菜を扱っている所もあります。生産者が直接販売しているので、質問したりして確認できます。

自然栽培の農家さんが直接ネット販売しています。自分の経歴や田畑をサイトで紹介していて、鮮度の良い野菜を買えます。

自然栽培の野菜を扱う食材宅配があります。食材宅配の会社が生産者と栽培状況を確認しているので信頼できます。

食材宅配会社公式サイト特徴
ナチュラル・ハーモニー公式サイト「自然栽培全国普及会」の会長が運営。
実店舗もあり、自然栽培農家の育成もしています。
ココノミ公式サイト西日本の畑で生産された完全無農薬野菜を自分で選んで買えます。
食べチョク公式サイト検索欄に「自然栽培」と入力すると、生産者がわかり、商品を買えます。

自然栽培解説のまとめ

自然栽培とは、固定種のタネをまき無農薬・無肥料で栽培する方法です。
自然農法は草を取らず、不耕起(耕さない)で、なるべく人の手を加えない栽培方法です。

農薬、肥料、タネを買わないので、農家さんにとって経済的な負担や健康被害がありません。
除草せず、耕さないのでラクができますが、農薬や肥料が土に残っていると野菜が育つまで数年かかります。農家さんの知識と経験が必要な難しい栽培方法です。

しかし土にしっかりと根を張った野菜本来の味がして、栄養価の高い野菜になります。

野菜にえぐみがなく、本来の味やうま味があるので生のままや焼くだけでおいしく食べられます。自然栽培の野菜を見かけたら、ぜひ一度味わってみてください。

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